こんにちは、長野市で障害福祉サービスを提供している特定非営利活動法人ZEROです。
「このままで大丈夫なのだろうか」
「働いてほしいけれど、何を言っても本人が動かない」
「就職の話をすると、部屋に戻ってしまう」
ご家族にとって、こうした状況はとても苦しいものです。
働いていない期間が長くなるほど、親としては将来の生活や自立が心配になります。
一方で、本人に強く言えば言うほど会話が途切れ、ますます距離ができてしまうこともあります。
引きこもりやニートの状態にある方が、すぐに就職へ向かえない背景には、怠けや甘えだけでは説明できない事情があります。
失敗への不安、人との関わりへの緊張、昼夜逆転、自己肯定感の低下などが重なり、動き出したくても動けない状態になっている場合もあります。
では、本人がまだ乗り気でない段階で、家族だけが就労移行支援に相談してもよいのでしょうか。
結論から言えば、家族だけで相談することは可能です。
むしろ、本人がまだ気持ちを整理できていない時期こそ、先にご家族が情報を集めておくことには大きな意味があります。
この記事では、本人を無理に動かすのではなく、働く準備へつなげるために家族ができることを、就労移行支援の視点から整理していきます。
【この記事のポイント】
✅ 本人が乗り気でなくても、家族だけで相談を始められる場合があります
✅ 引きこもりやニート状態は、本人の意思だけで変えられないことがあります
✅ 就労移行支援は、いきなり就職する場ではなく働く準備を整える場です
✅ 家族が焦って説得するより、安心できる選択肢を増やすことが大切です
【こんな方におすすめ】
1.子どもに働いてほしいが、どう声をかければよいか分からない方
2.本人が就職の話を避けるため、家族だけで相談したいと考えている方
3.就労移行支援がどのような準備に役立つのか知りたい方
1|まず知っておきたいこと
「働かない」のではなく「動けない」ことがある
家族から見ると、本人は何もしていないように見えるかもしれません。
昼まで寝ている。
スマートフォンやゲームばかりしている。
就職の話をすると不機嫌になる。
その姿だけを見ると、「本気で将来を考えていないのでは」と感じてしまうこともあるでしょう。
しかし支援の現場では、本人の中に働きたい気持ちがまったくないわけではないケースも多くあります。
ただ、働くまでの道筋が見えず、最初の一歩が大きすぎて動けなくなっていることがあります。
特に就労経験が少ない方や、過去に学校や職場で傷ついた経験がある方は、「また失敗したらどうしよう」という不安を抱えやすくなります。
その不安が強いほど、行動する前に避ける反応が出ることもあります。
家族の焦りは自然な反応
親として、将来を心配するのは当然です。
年齢を重ねるほど、「このままでは生活できないのでは」「親が支えられなくなったらどうなるのか」と考える時間も増えていきます。
その焦りは、決して間違いではありません。
ただ、焦りが強くなると、本人に向ける言葉がどうしても厳しくなりがちです。
「いつまでこのままでいるの」
「そろそろ働きなさい」
「みんな頑張っているのに」
こうした言葉は、家族の心配から出たものでも、本人には責められているように届くことがあります。
就職より前に必要な準備がある
引きこもりやニート状態からの就職では、求人応募や面接対策の前に整えたいことがあります。
✅ 朝起きて日中に活動するリズム
✅ 人と短時間でも関わる経験
✅ 自分に合う作業や環境を知ること
✅ 失敗しても相談できる安心感
これらが整わないまま就職だけを目指すと、就職できても続かない不安が残りやすくなります。
就労移行支援は、いきなり就職を迫る場所ではありません。
働くための準備を段階的に整え、自分に合った就労を考えていくための支援です。
2|就労移行支援は家族だけで相談できる?
相談は利用を決める場ではない
「家族だけで相談したら、すぐ利用を勧められるのでは」と不安になる方もいるかもしれません。
しかし相談は、利用を決める場ではありません。
まずは今の状況を整理し、どのような選択肢があるのかを知るための時間です。
本人がまだ外に出られない。
話し合いができない。
就職という言葉に強い抵抗がある。
そのような段階でも、ご家族だけで現状を話すことで、関わり方のヒントが見えてくる場合があります。
家族が先に情報を持つ意味
本人が動き出すには、安心できる材料が必要です。
「見学だけでもよい」
「すぐに就職活動をするわけではない」
「自分のペースで準備できる」
「生活リズムや人との関わりも相談できる」
こうした情報を家族が先に知っておくと、本人に伝えるときの言葉が変わります。
何も分からないまま「相談に行こう」と言うよりも、「まず話だけ聞けるらしいよ」「見学からでも大丈夫みたいだよ」と伝えたほうが、本人の心理的な負担は小さくなります。
本人の同意を大切にする
家族だけで相談できるからといって、本人の気持ちを置き去りにしてよいわけではありません。
就労支援は、本人の人生に関わる支援です。
最終的には、本人が納得して進めることが大切になります。
そのため、家族相談の目的は「本人を説得する材料を集めること」ではありません。
本人が少しでも安心して考えられるように、周囲が正しい情報を持つことです。
この違いはとても重要です。
3|本人が乗り気でない時に家族が見落としやすい心理
就職の話がプレッシャーになる理由
本人にとって「働く」という言葉は、ただの行動ではないことがあります。
人間関係。
朝起きること。
体力。
ミスへの不安。
面接で話すこと。
職場に迷惑をかける心配。
これらが一気に頭の中に押し寄せると、就職の話そのものを避けたくなる場合があります。
家族が「まず求人を見てみよう」と言っただけでも、本人には「今すぐ働かなければいけない」と聞こえてしまうことがあります。
ここにすれ違いが生まれます。
自信の低下が行動を止める
長く家にいる期間が続くと、自分に対する評価が下がりやすくなります。
「どうせ自分には無理」
「今さら働けない」
「人と話せない」
「面接で何を言えばいいか分からない」
このような思いが積み重なると、動く前から失敗を想像してしまいます。
自分ならできるという感覚は、行動の継続に関わる重要な要素となります。
この感覚が弱まっているときは、いきなり大きな目標を出すよりも、小さくできることから始めるほうが現実的です。
家族の正論が届かない時
家族が言っていることは正しい。
本人も頭では分かっている。
それでも動けないことがあります。
このような時に必要なのは、さらに強い正論ではありません。
本人が「それなら少し考えてもいいかもしれない」と思える余白です。
たとえば、「働きなさい」ではなく、「いきなり働く話ではなくて、生活リズムや作業の相談もできるらしいよ」と伝えるだけで、受け止め方が変わることがあります。
4|就労移行支援でできる働く準備とは
生活リズムを整える
働く準備は、履歴書を書くことだけではありません。
日中に活動する。
決まった時間に外へ出る。
人と挨拶をする。
疲れたときに相談する。
こうした一つひとつが、就労に向けた大切な準備になります。
ZEROの就労移行支援では、働くことへの不安を解消しながら、生活リズムやコミュニケーション、作業への取り組み方などを相談できます。
「会社に行くこと自体が不安」という段階でも、挨拶のタイミングや休憩時間の過ごし方など、実際の場面を想定しながら準備していくことができます。
作業を通して自信を積み上げる
働いた経験が少ない方にとって、いきなり一般企業で成果を出すことは大きな負担です。
その前に、作業を通して「できた」という感覚を積み上げることが役立ちます。
ZEROでは、ダイレクトメールの封入やTシャツの袋詰めなどの軽作業を含む、さまざまなプログラムがあります。
作業を通して、自分の得意不得意や集中しやすい環境を知ることができます。
小さな成功体験は、次の行動につながる土台になります。
施設外就労で課題を知る
ZEROの特徴の一つに、施設外就労の取り組みがあります。
一般企業の中で就労体験を行うことで、自分の課題を発見しやすくなります。
これは、いきなり就職する前に、自分に合う働き方を考える機会にもなります。
たとえば、作業のスピードよりも確認の丁寧さが強みになる人もいます。
人が多い場所では疲れやすいけれど、落ち着いた環境なら集中できる人もいます。
こうした気づきは、家の中だけでは見えにくいものです。
5|就労移行支援を家族相談から始める進め方
まずは困っていることを書き出す
相談前に、完璧に説明をまとめる必要はありません。
ただ、家族が感じている困りごとを少し書き出しておくと、相談しやすくなります。
✅ 昼夜逆転が続いている
✅ 就職の話をすると黙ってしまう
✅ 外出する機会が少ない
✅ 働きたい気持ちがあるのか分からない
✅ 過去の失敗体験を引きずっているように見える
このような内容で十分です。
「何を相談すればよいか分からない」という状態も、相談してよい理由になります。
本人への伝え方を変える
家族相談の後、本人に話すときは、言い方が大切です。
避けたいのは、利用を決めたように伝えることです。
「相談してきたから行きなさい」
「ここなら働けるはずだから行こう」
この言い方では、本人は自分の意思を無視されたように感じるかもしれません。
代わりに、
「見学だけでもできるみたい」
「すぐ就職ではなく、生活リズムの相談もできるらしい」
「一緒に話を聞くだけでもいいみたい」
と伝えるほうが、本人の抵抗感はやわらぎやすくなります。
見学や体験を小さな一歩にする
いきなり利用を決める必要はありません。
まずは見学。
次に体験。
その後に本人の気持ちを確認する。
このように段階を分けることで、本人にとっても負担が小さくなります。
家族が目指すべきなのは、すぐに働かせることではありません。
本人が「外に出ても大丈夫かもしれない」「少しなら話を聞けるかもしれない」と思えるきっかけを作ることです。
長野市|特定非営利活動法人ZEROについて
特定非営利活動法人ZEROは、長野市で障害福祉サービスを提供している事業所です。
就労移行支援では、一人ひとりの希望や特性に合わせた個別の支援計画を作成し、働くための準備から就職後のサポートまでを行っています。
ZEROでは、次のような支援を大切にしています。
✅ 一人ひとりの想いに寄り添う支援
✅ 働けるか不安な気持ちへのサポート
✅ 施設外就労を通した実践的な経験
✅ 軽作業や研修を通じたスキル習得
✅ 就職後も安心して続けるためのフォロー
長野駅から徒歩圏内、見学や相談にも足を運びやすい環境です。
相談は、利用を決めるためだけのものではありません。
今の状況を整理し、本人に合う進め方を一緒に考えるための時間です。
👉お問い合わせはこちら
FAQ
本人がまったく働く気を見せません。家族だけで相談してもよいですか?
はい。ご家族だけで相談することもできます。
本人がまだ動けない段階では、まずご家族が情報を知り、関わり方を整理することが大切です。無理に連れて行く必要はありません。
引きこもりの期間が長くても就労移行支援は利用できますか?
状況によって異なりますが、就労移行支援では生活リズムや人との関わり方から整えていくこともできます。
いきなり就職を目指すのではなく、準備段階から相談できます。
就職の話をすると本人が怒ってしまいます。どう伝えればよいですか?
「働きなさい」と伝えるよりも、「まず話だけ聞ける場所がある」「見学だけでも大丈夫」と伝えるほうが、本人の負担は小さくなります。
結論を急がず、選択肢として伝えることが大切です。
就労移行支援と就労継続支援B型の違いが分かりません。
就労移行支援は一般就労を目指す準備を行う支援です。就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに作業を通して働く力や生活リズムを整える支援です。
どちらが合うかは、本人の状態によって異なります。
相談したら利用を決めなければいけませんか?
いいえ。相談したからといって、すぐに利用を決める必要はありません。
今の状況を整理し、見学や体験を含めて、本人に合う進め方を考えていくことができます。
まとめ
引きこもりやニート状態にある子どもに働いてほしいと思うとき、家族は大きな不安を抱えます。
しかし、本人がすぐに動かないからといって、何もできないわけではありません。
家族だけで相談し、情報を集め、声かけの仕方を変えることから始められます。
大切なのは、本人を急かして就職へ押し出すことではありません。
安心できる選択肢を増やし、小さな一歩を積み重ねることです。
就労移行支援は、働く準備を整えるための場所です。
「まだ就職は早いかもしれない」と感じる段階でも、相談する意味はあります。