障害のあるご家族の就職が決まると、喜びや安心を感じる一方で、「職場になじめるだろうか」
「無理をして体調を崩さないだろうか」と、新たな心配が生まれることもあります。
就労経験が少ない場合や、以前の仕事が長く続かなかった場合は、働き始めた後の生活まで
考えるほど気がかりになるかもしれません。
そのようなとき、家族が職場で起きる問題をすべて解決する必要はありません。
身近な立場だからこそ気づける変化を受け止め、本人の考えを聞いたうえで、必要な支援へつなぐことが大切です。
就職後の困りごとは、仕事内容だけが原因とは限りません。
人間関係や通勤、生活リズム、体調などが影響していることもあるため、何が負担になっているのかを一つずつ見ていく必要があります。
この記事では、働き始めた後に家族が心がけたい関わり方や、相談を考える目安、本人に合う就労支援を選ぶ際のポイントを解説します。
就職後の様子が心配なとき、家族はまず何をすればよい?
新しい職場では、業務を覚えるだけでなく、通勤時間や人間関係、休憩の取り方、職場独自の
ルールなど、さまざまな環境に慣れる必要があります。
帰宅後に疲れた様子が見られると、「この仕事は合っていないのではないか」と感じるかもしれません。
しかし、働き始めたばかりの疲労だけで、今後も続けられないと判断するのは早いこともあります。
気になる様子があるときは、「仕事は大丈夫?」と漠然と尋ねるより、答えやすい聞き方を意識してみてください。
たとえば、「どんな作業のときに疲れる?」「休憩は取れている?」「困ったときに話せる人はいる?」
と具体的に聞くと、負担を感じている場面が見えやすくなります。
このとき、すぐに助言や解決策を示す必要はありません。
話を聞くことで、本人自身が悩みの原因に気づくこともあります。
仕事について話したがらない場合は、理由を問い詰めるのではなく、「話したくなったら聞くよ」「必要なら相談できる場所を一緒に探そう」と伝え、
安心して話せるタイミングを待つ方法もあります。
一方で、次のような変化が続いている場合は、一時的な疲れだけと考えず、状況を丁寧に確認しましょう。
・遅刻や欠勤が増えている
・朝起きることが難しくなった
・眠れない、または強い疲れが続いている
・食事や生活リズムが大きく変わった
・仕事へ行きたくないという言葉が増えた
ただし、これらの変化だけで原因を決めつけることはできません。
業務の難しさ、人間関係、通勤による負担など、複数の要素が重なっている可能性もあります。
家族が心配するあまり、本人に知らせず職場へ連絡すると、「自分の考えを聞いてもらえなかった」と感じさせることがあります。
緊急性がない場合は、本人がどのような対応を望んでいるのかを先に聞きましょう。
厚生労働省では、就労定着支援について、一般就労後に生じる生活上の課題に対する相談や助言、企業・福祉サービス事業者・医療機関
などとの連絡調整を行う支援としています。
本人だけでは状況を説明しにくい、職場へ要望を伝えることが負担になっているといった場合は
利用していた事業所や関係する支援者へ相談する方法もあります。
本人・家族・職場・支援機関の役割を分けることで、誰に何を伝えればよいのかが明確になり、次の行動を考えやすくなります。
長く働くための就労支援は、何を基準に選べばよい?
就職は大きな目標ですが、採用されることだけを優先すると、働き始めた後に仕事内容や
職場環境との違いを感じることがあります。
長く続けられる働き方を考えるなら、就職前から本人の希望や得意なこと、負担に
なりやすい状況を把握しておくことが重要です。
事業所を検討するときは、希望する職種だけでなく、「どのような生活を送りたいか」
「どのくらいの勤務時間なら無理がないか」「どのような環境で力を発揮しやすいか」まで話し合えるかを見てみましょう。
また、実際の作業を経験できるかも判断材料になります。
作業に取り組むことで、手順を覚える力だけでなく、一定の時間集中できるか、どの工程が得意か
わからないときに質問できるかといった働き方の特徴も見えやすくなります。
就職後の支援内容については、見学や相談の段階で次の点を尋ねておくと安心です。
・働き始めた後は誰に相談できるか
・面談やフォローはどのように行われるか
・職場との連携が必要なときは対応してもらえるか
・本人だけで状況を伝えにくい場合、どのような支援があるか
・家族から気になることを相談できるか
就労系の障害福祉サービスには、それぞれ異なる役割があります。
就労移行支援は、一般企業で働くために必要な知識や能力を身につける支援です。
就労継続支援B型は、一般企業との雇用契約による勤務が難しい方に、就労や生産活動の機会を提供し、
就労定着支援では、対象となる方に対し、就職後の生活上の課題に関する相談や助言を行います。
ZEROの就労支援制度
ZEROでは、次の3つを軸に、一人ひとりに合わせた就労支援を行っています。
本人の希望と将来の生活を踏まえた個別支援
希望する就労先や特性だけではなく、今後どのような生活を送りたいかも
話し合いながら、個別の支援計画を作成します。
入所時にはパーソナル診断(適性検査)も行い、本人の希望や実際の経験とあわせて
得意なことや配慮が必要な点を考える材料にしています。
診断結果だけで仕事を決めるのではなく、本人がどのような
働き方を望んでいるかを確認しながら支援を進めます。
実際の作業を通じた得意・不得意の把握
Tシャツの仕上げや袋詰め、封入などの作業を通じて、働くために必要な経験を積みます。
就労継続支援B型では、仕事量に応じた出来高制で工賃を支給しています。
取り組んだ量が工賃へ反映される仕組みは、仕事への意識につながることもあります。
ただし、工賃だけで支援先を決めず、本人が無理なく取り組める環境か、困ったときに職員へ話しやすいかも見てください。
就職前から就職後まで続くサポート
ZEROでは、就労移行支援、就労継続支援B型、就労定着支援を提供しています。
就職後は、就労定着支援として原則月1回、本人・企業・施設による三者面談を実施しています。
仕事を始めた後も相談先があることで、職場で感じている負担や生活上の悩みを共有し、必要な対応を考えやすくなります。
なお、就労定着支援には対象要件があります。
就労移行支援などを利用した後に一般就労し、継続して働いている期間などの条件があるため
利用できる支援は事業所や自治体へ確認してください。
就職者数や定着率などの実績を見るときは、数字だけで判断しないことも重要です。
対象人数や集計期間、「定着」とする期間を確かめたうえで、個別支援の内容や
職員との話しやすさ、働き始めた後のフォローまで比較しましょう。
まとめ|小さな心配の段階から、本人に合う働き方を考えましょう
働き始めた後に疲れや悩みが見られたときは、まず本人がどのような場面で
負担を感じているのかを聞いてみましょう。
すぐに答えを出すのではなく、仕事内容、人間関係、通勤、生活リズムなどを
分けて考えると、必要な対応が見えやすくなります。
本人だけでは職場へ伝えにくいことがある場合や、生活面の悩みが勤務へ影響している
場合は、就労支援機関などへ相談する方法があります。
また、長く働くためには、就職先を見つけることだけでなく、本人の希望や
得意なことを踏まえた準備と、その後も相談できる環境が重要です。
ZEROでは、一人ひとりの希望や将来の生活を踏まえた個別支援
実際の作業を通じた経験、就職後の定着サポートを行っています。
長野市や長野県北信地域で、「何から始めればよいかわからない」「仕事を続けられるか心配」
「現在の作業所が本人に合っているか迷っている」という方は、まず今の状況や希望を話すところから始めてみてください。
相談したからといって、すぐに利用や就職を決める必要はありません。
本人に合う働き方や今後の選択肢を考えたい方は、ZEROへご相談ください。
長野市・特定非営利活動法人ZEROについて
長野県長野市の特定非営利活動法人ZEROは、障害福祉サービスを通じて就労支援を行う事業所です。
働く準備から就職後の定着支援まで、一人ひとりの状況に合わせた支援を行っています。
相談は利用を決める場ではありません。
状況を整理するための時間として利用できます。
まずは気軽に相談してみてください。
👉お問い合わせはこちら
【Q&A】
本人が相談したがらない場合、家族だけで情報を集めてもよいですか?
家族が相談先や利用できるサービスを調べ、選択肢を知っておくことはできます。
本人がまだ動き出せないときは、家族が先に相談する方法もあります。
ただし、実際の利用や働き方を決める際は、本人の希望を置き去りにしないことが大切です。
ZEROでも、本人が乗り気でない場合の家族からの相談について案内しています。
就職した後も支援を受けられますか?
利用していたサービスや現在の状況によっては、働き始めた後も支援を受けられます。
就労定着支援では、対象となる方に対して、仕事に伴う生活上の課題への相談や、企業・関係機関との連絡調整を行います。
対象要件や利用方法は一人ひとり異なるため、利用していた事業所や自治体へ問い合わせてください。
定着率が高い事業所なら安心ですか?
定着率は比較材料の一つですが、数字だけで本人に合うかどうかを決めることはできません。
集計期間や対象人数を確認するとともに、本人の希望を支援へ反映しているか
困ったときに話しやすいか、就職後のフォローがあるかも見ておきましょう。
現在利用している作業所が合わない場合、ほかの事業所へ相談できますか?
今の環境が合わないと感じる場合は、ほかの事業所へ相談し、支援内容や利用方法を聞くことも選択肢になります。
作業内容だけでなく、本人の体調や希望、将来目指したい働き方を整理したうえで比較してください。
ZEROでは、他事業所を利用している方からの移行相談も、状況に応じて受け付けています。